資産運用方法の解説 ⑪外貨預金 ~特徴とメリット・デメリットについて解説~

外貨預金の位置づけ


今回解説するのは「外貨預金」についてです。

リスク・リターンマップでは、ハイリスク・リターンにあたります。

それでは早速説明していきます。

外貨預金とは

外貨預金とは、日本円ではなくドルやユーロといった外貨で預金をおこなうことを指します。

外貨で預金をすると、日本円で預金をした場合よりも高い金利を受け取ることができるため、資産運用方法の一つとしても活用されています。

また、金利によるリターンだけではなく、外貨と円の為替差益を狙ってより高いリターンを得ることも可能で、資産を分散して運用する方法としては有効です。

その他にも、現在利用している金融機関で始められるという手軽さもありますし、外貨建て分の元金は保証されるなどの安心材料もあります。

ただし、外貨預金は手数料などが割高であったり、為替レートの変動によっては損失が発生するリスクもあわせ持っていますので、外貨預金による資産運用は、短期的におこなうよりも長期的な運用をしていくのに、適した商品だと言えると思います。

外貨預金の始め方

外貨預金を始めるには、金融機関に外貨預金用の口座を開設する必要がありますので、口座開設までの流れを、順を追って説明します。

どんな外貨で預金をするのかを決める

外貨預金は、必ずしもアメリカドルやユーロなどで行なわなければならないものではありません。

オーストラリアドルやニュージーランドドル、トルコリラなど、様々な通貨で外貨預金を行なうことができます。

まずは自分がどの通貨で外貨預金をするのかを決めましょう。

資金に余裕のある場合には、一つの通貨だけではなく複数の通貨に分けて預金をしたほうが、為替リスクの分散にも役立ちます。

金融機関を選ぶ

外貨預金は、多くの金融機関で取り扱っていますが、金利や為替手数料は金融機関によって異なります。

自分で決めた通貨の金利、為替手数料がもっとも有利となる金融機関を選ぶと良いでしょう。

また、良くも悪くも為替は急激に変動することがあるため、すぐに対応できるよう、オンライントレードが充実した金融機関を選ぶことをおすすめします。

金融機関に外貨預金口座を開設する

金融機関の窓口、またはホームページの口座開設画面にて、外貨預金用の口座を開設します。

外貨預金の初心者の場合、窓口の対面方式で口座を開設したほうが良いかも知れません。

なぜなら、外貨預金に関する不明点をその場で解決することができ、なおかつ口座開設のスピードが圧倒的に早いからです。

外貨預金の種類と、それぞれの特徴

外貨預金ができる通貨は、金融機関によって異なります。

ここでは、多くの銀行で扱っている代表的な通貨の種類を紹介し、それぞれの特徴について解説します。

アメリカドル

日本人にとって、もっとも馴染みの深い外貨でしょう。

ニュース番組や新聞、ネットなどを通じて為替変動の情報の入手も容易です。

初心者には向いた通貨なので、複数通貨で外貨預金をする場合には、1つはアメリカドルにすると良いでしょう。

ユーロ

1999年から導入された、ヨーロッパ連合共通の単一通貨です。

ユーロを採用する国々の経済規模はアメリカに匹敵するほどなので、ユーロはアメリカドルと並ぶ世界2大通貨の一つとなっています。

様々な媒体から通貨情報を入手しやすいので、アメリカドルと同じように初心者には向いた通貨と言えるでしょう。

イギリスポンド

かつてはアメリカドルと並ぶ世界の基軸通貨の一つでしたが、最近では流通量がだいぶ減りました。

流通量が減ったことにより、為替レートの動きは激しくなっています。

カナダドル

アメリカとの経済的な関わりが多いため、為替レートがアメリカドルと似たような動きになる傾向があります。

オーストラリアドル

オーストラリアでは、農業、石炭、石油、鉱石などが盛なため、為替レートが商品先物市況の影響を受けることもあります。

観光産業も盛んなので、テロ事件などにも敏感です。

ニュージーランドドル

産業の多くは、隣国であるオーストラリアとの貿易ですので、オーストラリアの為替変動とかなり連動しています。

金利は高めですが、経済規模が小さいことから為替リスクも高めです。

南アフリカランド

金やダイヤモンドなどの鉱物資源を多く産出する南アフリカです。

FX取引でも注目されている通貨なので、外貨預金に対応する金融機関もかなり増えてきました。

スイスフラン

永世中立国であるスイスの通貨で、テロや戦争などが勃発した際、安全通貨として資金が集まりやすく、その結果、為替レートが大きく動くことがあります。

外貨預金で成功するためのポイント

外貨預金で利益を上げるためには、いくつかのポイントがあります。

これらのポイントを押さえることが、儲かる可能性を高めるとともに、リスクを低く抑えることにもつながります。

以下、4つのポイントを紹介しましょう。

複数の通貨に預ける

資金的に可能であれば、複数の通貨に分けて保有しましょう。

一つの通貨の場合、その国の情勢次第、特に為替の影響によって、大きく損失を出してしまう可能性があるからです

ただし、あまりマイナーな通貨を選ぶのではなく、アメリカドル、ユーロ、ポンド、フラン、オーストラリアドル、ニュージーランドドルなどの代表的な通貨を選ぶことをおすすめします。

複数回に時期をズラして預ける

一度に預けると、同じ為替レートで両替することになりますが、複数回に分けて預けると、バラバラの為替レートで両替することになります。

リスクを分散する意味では、複数回に時期をズラしてお金を預けたほうが良いでしょう。

また、可能ならば、定期的に一定額の積立方式で外貨預金をしていくことをおすすめします。

定期的に一定額を預けることで、為替レートが均されて安定的な運用となるからです。

為替の動きに敏感になる

外貨預金の最大のリスクは為替の動きです。

逆に言えば、最大の魅力も為替の動きです。

外貨預金を始めるならば、特に為替には敏感になりましょう。

大掛かりな勉強を始める必要はありません。

為替が大きく動いた日があれば、なぜ為替が動いたのかを調べてみるだけで良いでしょう。

その繰り返しで、徐々に為替変動の感覚が身についていきます。

外貨預金のメリット

日本円よりも金利が高い

外貨預金の金利は、ゼロ金利政策が続く日本の預金金利に比べて、かなり高めに設定されています。

2019年4月現在、日本の普通預金の金利は、大方の銀行で0.001%となっていますが、外貨での普通預金の金利は次のようになっています(ネット系大手銀行)。

  • アメリカドル…0.06%
  • ユーロ…0.01%
  • オーストラリアドル…1.5%
  • イギリスポンド…0.1%
  • ニュージーランドドル…2.0%
  • 南アフリカランド…5.15%

南アフリカランドにおいては、日本の実に5,000倍以上もの利率です。

もちろん、各通貨とも外貨定期預金になると、さらに高い金利となります。

為替差益を狙うことができる

預金を預け入れたときよりも、預金を引き出すときのほうが円安に傾いていた場合、為替差益を得られる可能性があります。

アベノミクスでは、為替操作を行っていないものの、国内政策の結果として為替は円安に動く傾向があります

安倍政権が続く限り、為替差損よりは為替差益を得られる可能性のほうが高いと言えるでしょう。

外貨預金のデメリット・リスク

為替差損のリスクがある

預金をしたときよりも預金を引き出したときのほうが円高であった場合、為替差損が発生します。

安倍政権の政策は円安を招く傾向がありますが、この政策が未来永劫続くわけではないでしょう。

あるいは海外で突発的な事件等が発生した場合、安全資産として日本円が買われる(円高になる)可能性もあります。

いかに高い金利を受け取っていても、為替差損と相殺されて元本割れを起こすリスクがあることを忘れないようにしましょう。

両替の際にコストがかかる

「アメリカドル1ドルにつき1円」などのように、日本円を外貨に両替する際にはコストがかかります。

逆に外貨から日本円に両替するときもコストがかかります。

海外旅行で両替を経験したことのある人には理解しやすいでしょう。

仮にアメリカドル1ドルにつき1円の手数料がかかった場合、1ドル100円と仮定すれば、100万円の外貨預金に対して往復で20,000円ものコストがかかる計算になります。

銀行が破綻した場合は元本が保証されない

外貨預金については、日本円での預金とは違ってペイオフの適用がありません。

ペイオフとは、たとえ銀行が破綻したとしても1000万円までは元本と利息を保証するといった制度です。

外貨預金にこの制度が適用されない以上、万が一、外貨預金をしている銀行が破綻した場合、元本割れ、もしくは元本が一切戻らない可能性もあります。

外貨預金で得られるリターンはどの程度か

外貨預金でのリターンの第一は、なんといっても国内預金よりも高い金利によって得られる利息でしょう。

通貨によっては3ヶ月の定期預金の金利が1%を超える商品もあり、低金利が続く国内預金に比べ有効な資産運用方法として注目を集めています。

また、外貨預金をスタートさせた時点よりも為替市場が円安になれば、その分の為替差益を得ることが可能となりますので、利息で得る収益よりも高いリターンを期待することができます。

外貨預金で資産運用するリスクを考える

外貨預金のリスクとしては、為替レートの変動による為替差損の発生が考えられます。

場合によっては元本割れを起こす可能性もあるため、特に短期運用には向かないと思われます。

また、為替手数料など他の外貨建て金融商品よりも割高な点や、ペイオフ対象外のため万が一預金先の金融機関が破綻した場合、元本の保証は一切ありません。

さらに為替差益が20万円を超える場合は、確定申告が必要になり利息には20%の源泉分離課税がかかります。

さいごに

以上が、外貨預金についての解説です。

その他の投資について勉強したい方はこちらを参考にしてください。